脂肪を多く含む食品を摂ると太り易くなります。炭水化物や蛋白質は1gあたり4kcalですが、脂肪は1gで9kcalのエネルギー量を持っています。ですから当座使わない余分なエネルギーを皮下脂肪という形で蓄えるのは至って理に適っています。
1gあたりのエネルギー量が炭水化物と蛋白質は4kcalで脂肪は9kcalということは、食事の質量を考える場合に重要なことです。もし、1回の食事で900kcalを摂るとします。脂肪だけで900kcalを摂ろうとすれば100g(900÷9)で足ります。炭水化物と蛋白質だけで摂ろうとすると225g(900÷4)も摂らなければなりません。勿論実際の食事においては脂肪だけとか、炭水化物だけということはありませんが、脂肪を多く含んだ食事では少ない質量の割に摂取エネルギーは多くなりがちだということです。逆に脂肪の少ない食事だとかなり沢山の量を食べられるということです。
牛肉であればロースやサーロインよりフィレやテンダーロインを、鶏肉であればとり皮やスペアリブよりささみや胸肉を、マグロであればトロや中落ちより赤身を摂った方が沢山の量を食べることができます。因みに大トロは赤身の3倍近いエネルギー量です。
料理法も衣を着けたフライよりも素揚げやソテーの方が、更に網焼きやボイルの方が低脂肪です。
鶏のささみはバサバサしていて美味しくありません。脂肪分が少ないからです。食品は何でも適度な脂肪分があった方が味がまろやかになり美味しく食べられます。しかし、調理法の工夫として唐辛子や生姜、わさびなど辛味を加えたり酢(酸味)を上手に使ったり、あるいは片栗粉や小麦粉をまぶして水分を含ませたりすることによって美味しくいただく工夫は可能です。
ミネラルやビタミンが豊富でエネルギー量の極めて少ない野菜類や海藻類など積極的に摂ることによって、食事の質量は変えずに摂取エネルギーを30%程度まで減らすことは比較的容易です。多品種の食品をバランス良く効果的に組み合わせて楽しい食卓を囲みましょう。
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