バタフライほど初心者と上級者とで泳ぎ方が異なってしまう泳法はありません。上級者のテンポ(1分間のプルの回数)は、概ね50〜60ですが、初心者では20〜30ほどです。
緊張性頚反射の影響とバタフライという種目の特殊性です。他の種目以上に腕(プル)にかかる負担が大きいために、鍛錬された泳者でないと難しいという側面があります。しかし、少しでもタイムを縮めたいと考えるマスターズスイマーにあっては、まずテンポにおいて改善を図ることが必要になってきます。テンポをあげて泳ぐことは、バタフライの自己ベストタイム短縮を図る上では非常に大きな意味を持ちます。まず、「陸の上の水練」で腕を速くまわす練習をしてみましょう。目標は、1分間に60回(1秒に1回)。
また、1ストロークに2回のキックを打つのであれば、キック自体を速く動かす練習も必要です。プルが1秒に1回のテンポを目標にしていますから、キックは、1秒に2回を目標とします。
プルは比較的速く回すことができるのですが、キックを速く動かすことができないということがあります。そのような場合には、キックを2回打つことの大切さとプルを速く回すことの大切さを糧にかけていずれが、自分にとって望ましいかを見極め、場合によっては1ストロークにキック1回のバタフライを指向することもあり得ることです。
加齢とともに動作のスピードが遅くなり、素速い動きが苦手になります。逆にいえば、常に素速い動きを心がけることが、老化の進行をある意味で下支えすることにもつながります。そんな意味からもバタフライのテンポを考えてみることも必要でしょう。
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